キムチャート 塾で高校生に数学を教える方法

愛知県で大学受験の塾を経営しています。青チャートを用いて、数学重傷患者を蘇生するときに私が考えていることを公開します。

三角関数の教え方

三角関数は、教える側と教わる側のギャップがとても大きい科目です。

教える側にとっては三角関数はものすごく簡単な分野に感じられますが、これを初めて勉強する高校生にとっては、腑に落ちるまで解法の意味が全く分からないことがあります。

教える側は、生徒の理解度を十分に確認しないと事故になります。

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三角関数 - 基本的な処理について

青チャート数IIの例題127〜140までの基本的な計算は、数Iの三角比のところで単位円を丁寧に教えてあれば、角度を一般各まで拡張すればいいだけなので、そこそこのスピードで進められます。

 

 

三角関数 - 置き換えて二次関数に帰着

最初に強調したいのは、例題141の、「三角関数を置き換えを利用して二次関数に帰着させる問題」です。

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ポイントは当然、「cosθ=tと置き換えたときに、tの動く範囲を考える」です。

この点は、チャート数I 二次関数の例題88を丁寧に仕込んでいればスムーズです。

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次の143、144は定数分離で解くのが良いと思います。

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二次関数のときに丁寧に教えておきたい解法です。

 

三角関数 - 加法定理

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加法定理は、簡単なやり方でいいので証明方法から押さえておきたいです。

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 加法定理に関連して、2倍角、3倍角、半角、和積、積和の公式は導出を完璧にしてもらいます。

加法定理を書き出してから、これらの公式を一気に導出する練習をします。

和積や積和は問題を解くのに必要なものだけ導出出来ればよいのですが、最初のうちはそれぞれ4つずつの公式すべてを導出して、そのなかから問題にあうものを使うというやりかたで良いと思います。

必要なものだけ導出するというのは高1や高2にはハイレベルな内容です。

 

例題149の(2)は理系の生徒には必須問題です。数IIIで何度もみる形だからです。

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いくつかやり方はありますが、私はこのやり方で説明します。

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三角関数 - 合成

三角関数の合成とは、↓のような「加法定理の逆の操作」です。

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教科書などにある公式の形は、

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ですが、確かに合成の背景が加法定理の逆であることを理解してほしいと思いますが、合成の操作自体を加法定理の逆としてやろうとすると時間がかかる上に間違えやすいです。

「こういう背景はあるが、問題を解くときはsinの係数をx軸に、cosの係数をy軸に描いて・・・」

という説明をして、練習問題を重ねて習熟してもらいます。

例題154の(1)でいうと、

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このようなやり方です。公式あてはめ的になりますが、これが出来ないと話にならないのも事実だと思います。