指数関数・対数関数は、さらっと終わりたい分野です。
- 指数関数・対数関数 - 計算のルール
- 指数関数・対数関数 - 底>1か、底<1か
- 指数関数・対数関数 - 対数の意味
- 指数関数・対数関数 - 置き換えて二次関数に帰着
- 指数関数・対数関数 - 常用対数の利用
指数関数・対数関数 - 計算のルール
この分野では、計算のルールを手になじませてもらうことが最初の山場です。
まず、指数の計算についてですが、例題143,144とその練習問題、類題で事足ります。
少数ですが、指数の累乗の計算ルールが分からない生徒がいます。下のような事例でイメージしてもらって、忘れたら自分で思い出せるようにします。
対数の計算ですが、指数よりは難易度が上がります。
(i), (ii), (iii)以外は使っちゃダメ!といっても、
このような新しい数学の世界を切り開いていく高校生は、少なくありません。対数の成り立ちを理解していれば感覚的にありえないなと思えるものですが、新しい計算ルールを作ってしまう早とちりな生徒に、原理から教えていくのもそれはそれでハードルが高い気がします。
底の変換と合わせて、下の3題と練習問題、類題をとにかく沢山解いては添削していくほかないように思います。
指数関数・対数関数 - 底>1か、底<1か
例題168の(1)は、底を1/2にそろえて指数部分を比較する問題です。この不等式の問題では、「底>1」なのか「0<底<1」なのかによって話が変わるので、答案にも必ず底について言及するよう教えていきます。
対数も底が1より大きいか小さいかで、話が変わります。必ず言及してもらいます。
指数関数・対数関数 - 対数の意味
対数の導入において、logの意味から理解できると対数は面白くなります。授業ではこのように説明しています。
さらに、対数の読解という項目を作ってみました。
対数の説明は↑にあるように「2を何乗したら5になるか、の数」みたいなまどろっこしい言い回しになります。これ以上直感的に分かりやすい表現があったら是非教えていただきたいです。
高2でゆっくり対数を教えていける生徒については、logの計算を導入するまえに↓のように意味から値を考えていくと面白いです。
logの意味についてはぶっちゃけよく分かっていなくても、入試問題を解くだけならなんとかなってしまう側面もあります(私自身、高校時代には理解してませんでした)。一応、このように教えていますが、数ヶ月後生徒に聞いてちゃんと覚えてくれているかどうかはあんまり自信がありません。でも、それでもいいと思います。問題は解けてしまうので。
指数関数・対数関数 - 置き換えて二次関数に帰着
例題169は、置き換えを利用することで指数関数を二次関数に帰着する問題です。この問題で高校生がよく間違えるのは「tと置き換えた後に、tの範囲を求めない」です。
私「置き換えたら何するの?」
生徒「・・・あっ、範囲・・・」
というやりとりは、年に何十回するかわかりませんが、妥協せずやっていきたいところです。
置き換えの問題では、↑のノートのようにグラフを2つ書いて、tが仲介役をやっていることを理解してほしいです。
もっともこの問題を解く前に、二次関数のときに置き換え問題(青チャート数学I 例題88)を完全に習得させておく仕込みが大切です。
対数関数についても、注意する点は「tと置き換えたときのtの範囲」です。
指数関数・対数関数 - 常用対数の利用
桁数や最高位の数を求める問題では、機械的に処理をすれば一応答えが求まってしまうため、解法を丸暗記する生徒が少なくありません。
例題182の(2)は、このように教えます。最初の一行(☆)だけ覚えてほしいです。
最後、不等式で挟んだ後、最左辺の指数を見るのか、最右辺の指数を見るのか忘れがちです。そういうときには、3桁の数で思い出すのがよいです。
最高位の数を解く問題は、logの定義から、
と教えたあとで、
この問題も意味で覚えておけば忘れることはありません。